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ハウスクリーニングひなた

外した部品を、戻し忘れないでください

においの原因は、たいてい汚れではありません。

結論から書きます。お風呂の排水溝でいちばん多いご相談は「におい」で、その原因はたいてい汚れではありません。外した部品が戻っていないことです。

排水溝の底には水がたまっていて、それが下水のにおいをふさいでいます。この水をためるための部品を外して、掃除して、戻し忘れる——これで翌日からにおいが上がってきます。

やることは順番で決まります。①タイプを見る ②外せる部品を外して洗う ③戻す ④水を流して底に水をためる。④を飛ばさないでください。

※ 排水溝の構造と外せる部品は、建物とユニットバスの機種で大きく違います。この記事は一般的な浴室の床排水口についての説明です。

中はどうなっているのか — 封水とトラップ

ふたを開けて水が見えても、故障ではありません。その水は必要なものです。

排水溝には排水トラップという部分があり、ここに水をためて下水のにおいと虫が上がってくるのをふさいでいます。この水を封水と呼びます。

ふた(目皿)
床と同じ高さにある格子状の部品です。髪の毛と石けんカスがここに乗ります。
ヘアキャッチャー(毛髪受け)
ふたの下にあるカゴです。髪の毛をここで止めるためのものなので、いちばん汚れます。
トラップの部品
封水を作るための部品です。筒状のもの、お椀をかぶせた形のもの、機種によって違います。
封水
いちばん下にたまっている水。外からは見えないこともあります。これが無くなると、下水のにおいが直接上がります。
排水管
ここから先は建物の設備です。掃除の範囲ではありません。

🚨 この構造が分かると、よくある3つのことが同時に説明できます。

  • 下水のにおいが上がるのは、封水が無いから。汚れを落としても止まりません
  • パイプクリーナーが効きにくいのは、封水で薄まるから。注ぐ前に水を汲み出すと変わります
  • 長く使わないとにおうのは、封水が蒸発するから。これは汚れではないので、水を流せば戻ります

部品の名前を覚える必要はありません。外す前に写真を撮れば戻せます。

キッチンのシンク下と洗濯機の床にも同じしくみがあります → シンク掃除のやり方・洗濯機の排水口掃除のやり方

排水溝のタイプを見分ける

ここを先に見ると、このあとの手順が決まります。ふたを開けて、中の形を見てください。

筒が立っているタイプ
いまのユニットバスで多い形です。ふた → ヘアキャッチャー → 筒の順に外せます。筒を外すと下に水がたまっているのが見えます。
水が見えているタイプ
封水が目に見える構造です。これも正常です。「水が溜まっている」のは詰まりではありません。
お椀がかぶっているタイプ(古いタイプ)
🚨 これが「古いタイプ」と呼ばれるものです。お椀を伏せたような部品(ワントラップ・椀トラップ)がかぶっていて、それで封水を作っています。外すと下水とつながるので、戻し忘れが致命的です。
ふたが外れないタイプ
ふたが床に固定されている機種があります。無理に外さず、ふたのすき間からブラシを入れる範囲までにします。
浴槽側の排水
浴槽の栓の下です。ここは手が入らないのが普通で、洗い場の排水と途中で合流します。洗い場側を掃除すると、こちらも通りが良くなることがあります。
在来工法の浴室(タイル張り)
排水溝が細長い溝になっていることがあります。グレーチング(溝のふた)を上げて掃除します。

🚨 見分けるときに大事なのは「お椀があるか」です。お椀があるなら古いタイプで、外したら必ず戻すという一点だけ覚えてください。

タイプが分からないときは、無理に外さないでください。ふたとヘアキャッチャーまでで止めても、汚れの8割は取れます。

何がたまっているのか

浴室の排水溝は、家の中でいちばん種類の多い汚れが集まる場所です。

髪の毛
いちばん多く、いちばん厄介です。ほかの汚れを引っかけて、網のように育ちます。
皮脂・湯垢
体から落ちた脂です。髪の毛と混ざって固まります。
石けんカス
せっけんやシャンプーの成分が水道水のミネラルと結びついた白いものです。
ぬめり(ピンク色)
これはカビではありません。酵母の一種で、水で流すだけでも取れますが、再発がとても早いです。黒カビの前段階でもあります。
黒カビ
ぬめりを放置すると出てきます。ここから先は塩素系の領域です → お風呂のカビ取りと水あか掃除
ヘドロ
上の全部が混ざって固まったものです。灰色から黒で、どろっとしています。
固形物
カミソリの刃のカバー、シャンプーのラベル、子どものおもちゃ。これは溶けません。

🚨 この7つのうち、薬剤で溶けるのは髪の毛・皮脂・ぬめり・カビです。石けんカスは酸性寄り、固形物は溶けません。だから「取り出す」作業が先に来ます。

始める前に — 道具と安全

用意するもの

  • ゴム手袋(下水とつながっている場所です。素手で触りません)
  • 使い捨ての手袋か割り箸(髪の毛の塊を直接つかみたくない方に)
  • 古い歯ブラシと細長いブラシ(筒の内側と部品のすき間に届くもの)
  • 塩素系のカビ取り剤かパイプクリーナー(ぬめりとカビに使います)
  • 中性洗剤(外した部品を洗う用)
  • ビニール袋(取り出した髪の毛とヘドロを入れます。排水溝へ戻しません)
  • 紙コップ(封水を汲み出して、薬剤を薄めないため)
  • スマートフォン(外す前に写真を撮ります)

※ 針金、金属のへら、尖った工具は用意しません。トラップの部品は樹脂製で、傷つけたり割ったりすると封水が保てなくなります。

始める前に確認すること

  • 🚨 換気してから始める。塩素系を使うので、窓を開けるか換気扇を回します。浴室は狭いので特に
  • 🚨 酸性の洗剤を同じ日に同じ場所で使わない。浴室は塩素系(カビ取り)と酸性(水あか)の両方を使う場所で、家の中でいちばん事故が起きやすいところです → 混ぜてはいけない洗剤
  • 外す前に写真を撮る。ふた、ヘアキャッチャー、トラップの部品を、外す順に撮ります
  • 🚨 お椀の部品があるかを確かめる。あれば古いタイプです。外したら必ず戻します
  • 外した部品を並べる置き場所を決める。洗い場の床に順番に並べます
  • 固形物が見えたら先に取り出す。カミソリの刃には触りません
  • 髪の毛を流さない。袋に入れて捨てます
  • 無理に外さない。固いもの、形が分からないものは、そこで止めます

🚨 いちばん大事な1行。外した部品は全部戻してから終わりにしてください。

何を使うか — 洗剤の選び方

汚れの種類が多い場所ですが、使うものは2つで足ります。

中性洗剤
外した部品を洗うのはこれで十分です。髪の毛を取り除いたあとの皮脂は、歯ブラシと中性洗剤で落ちます。
塩素系(カビ取り剤・パイプクリーナー)
ぬめりと黒カビ、排水管の中の髪の毛に効きます。泡タイプは部品に密着しやすく、液体タイプは管の中に流します。
酸性(水あか用)
白い石けんカスが固まっている場合だけ。🚨 塩素系と同じ日に使わないでください。
酸素系漂白剤
外した部品のつけ置きに使えます。塩素系とは一緒に使いません。
重曹+クエン酸
🚨 ここは上位の情報とひなたの言うことが違います。下に書きます。

🚨 「重曹とクエン酸で発泡させる」方法は、よくすすめられていますが、洗浄力としては相殺されます。弱アルカリ性と酸性が中和して、ほぼ水と二酸化炭素になります。

泡で浮かせる物理的な効果はありますので、軽いぬめりや「薬剤を使いたくない」場合の選択としては成り立ちます。ただしぬめりと黒カビには塩素系のほうが早く、確実です。詳しくは混ぜてはいけない洗剤と重曹・セスキ・クエン酸の使い分けをご覧ください。

🚨 パイプクリーナーが効かないときの理由は、たいてい封水です。注ぐ前に紙コップで底の水を汲み出すと、同じ製品で結果が変わります。

※ 使用量、放置時間、使えない素材は製品表示で確認します。表示より濃くしたり長く置いたりしても落ちは比例しません。

手順 — 外して、洗って、戻す

① ふた(目皿)

持ち上げて外します。裏返して、裏側を見てください。表はきれいでも、裏に髪の毛と石けんカスが張り付いています。

中性洗剤と歯ブラシで、格子のすき間を洗います。黒カビが出ていれば、塩素系の泡タイプをかけて表示の時間おいてから流します。

ふたが床に固定されていて外れない機種もあります。その場合は、すき間からブラシを入れる範囲までにしてください。

② ヘアキャッチャー(髪の毛を受けるカゴ)

ここがこの掃除の本体です。持ち上げると、髪の毛の塊が出てきます。

  1. 髪の毛の塊を、割り箸か手袋でつかんで袋へ入れる。排水溝へ押し込みません。
  2. カゴを中性洗剤と歯ブラシで洗う。目のすき間に皮脂が詰まっています。
  3. ぬめりが残るなら塩素系をかける。表示の時間おいて、よく流します。
  4. 戻す。向きが決まっている機種があるので、写真を見ます。

ここを週1回やっていれば、この記事の後半はほとんど読まなくて済みます。

③ トラップの部品(筒・お椀)

月1回の作業です。ヘアキャッチャーの下にある部品を外します。

  1. 外す前に写真を撮る。形と向きが分かるように。
  2. 手で回すか持ち上げる。🚨 固ければ無理をしません。
  3. 部品を洗う。内側と外側、ふちの裏まで。中性洗剤と歯ブラシで。
  4. 見える範囲の内壁を洗う。ブラシで、届くところまで。
  5. 戻す。写真どおりの向きで、最後まで入っていることを確かめます。
  6. 🚨 水を流して、底に水がたまる状態にする。これが封水です。忘れると翌日からにおいます。

④ 古いタイプ(お椀の部品がある場合)

🚨 この節がいちばん大事です。お椀を伏せたような部品(ワントラップ)がかぶっている構造です。

このお椀が封水を作っています。外すと、排水管と部屋が直接つながります。

  1. 外す前に写真を撮る。向きと、どこまで入っていたかを。
  2. 持ち上げて外す。多くは手で持ち上がります。
  3. お椀の内側と外側を洗う。ふちの裏に汚れが溜まっています。
  4. 下の受け皿の中を洗う。ここにヘドロが沈んでいます。かき出して袋へ。
  5. 🚨 お椀を戻す。伏せる向きで、最後まで。斜めに乗せただけでは封水ができません。
  6. 水を流して、お椀の中に水がたまることを確かめる。

🚨 「掃除したらにおうようになった」というご相談は、ほとんどこれです。お椀を外したまま、あるいは斜めに乗せたまま終わっています。においは汚れではなく、構造が戻っていないことのサインです。

お椀が割れている、変形している場合は交換です。部品だけメーカーや建材店で手に入ることがあります。無いまま使い続けないでください。

⑤ 浴槽側の排水

浴槽の栓の下です。手は入りません。

多くの浴室では、浴槽の排水が床下で洗い場の排水と合流しています。つまり、洗い場側を掃除すると浴槽側の通りも良くなることがあります。

浴槽の栓のまわりと、ゴム栓の裏側は手が届くので、中性洗剤で洗ってください。それより奥は、分解ではなく点検の範囲です。

浴槽と洗い場の境目にあるエプロンの内部は、こことは別の場所です → お風呂のカビ取りと水あか掃除

⑥ 最後に、流して確かめる

部品を全部戻したら、必ず水を流してください。

  • 水がすっと引くか(引かなければ、まだ詰まりが残っています)
  • 底に水がたまるか(これが封水。たまらなければ部品の戻し方を見直します)
  • 外した部品が全部戻っているか(写真と見比べます)
  • においが上がってこないか(数時間後にもう一度嗅ぎます)

🚨 部品が1つ余っていたら、必ずどこかに戻る場所があります。「要らない部品」はありません。

ふた・目皿が取れないときは

力を入れる前に、原因を分けてください。割ると部品交換になります。

汚れで固まっている
いちばん多いです。石けんカスと皮脂が接する面で固まっています。ぬるま湯をかけて10〜20分置くと動くことがあります。
回す向きが違う
ねじ込み式の部品があります。反時計回りで外れるものが多いですが、逆もあります。部品に矢印がないか見てください。
そもそも外れない構造
ふたが床に固定されている機種があります。これは外さないのが正解です。すき間からブラシを入れる範囲までにします。
劣化して固着している
年数がたった樹脂は、回すと割れます。無理をしないでください。
在来工法の溝のふた
長いグレーチングは重く、端から持ち上げます。指をはさまないように。

🚨 ゴム手袋の上から力をかけて回らないなら、そこで止めてください。工具で挟んで回すのは、割れたときの出費が掃除の手間を上回ります。

外せなくても、ふたのすき間から塩素系の泡タイプを入れて、しばらく置いて流すことはできます。ぬめりとにおいはこれでかなり落ちます。

賃貸で割ってしまった場合は、隠さずに管理会社へ連絡してください。放置して封水が保てないほうが大きくなります。

ヘドロが取れないときは

どろっとした灰色のものが、洗っても取れない・すぐ戻る場合です。順に見てください。

物理的に取り出していない
いちばん多い理由です。ヘドロは髪の毛が芯になっているので、薬剤では溶けません。先に手とブラシでかき出してください。
封水で薄まっている
薬剤を注ぐ前に、底の水を紙コップで汲み出します。同じ製品で結果が変わります。
届かない場所にある
外せる部品の奥です。ここは液体のパイプクリーナーを流す範囲で、手は入りません。
すぐ戻る
取れていないのではなく、作られる速さが掃除の間隔より速いということです。週1回のヘアキャッチャーに戻ってください。
石けんカスが固まっている
白くてざらつくものは、酸性の洗剤の領域です。🚨 塩素系と同じ日に使いません。
汚れではない
部品の変色、樹脂の劣化、金属部分のさびは洗剤では戻りません。

洗剤を濃くする、時間を延ばす、道具を硬くするの三つを同時に行わないでください。一つずつ変えて、流してから次を判断します。

🚨 2回繰り返しても変わらないなら、3回目は同じ方法でやらないでください。取り出せていないか、届かない場所にあります。

下水やドブのようなにおいがするときは

これがいちばん多いご相談で、いちばん誤解されているところです。

🚨 排水溝から下水のようなにおいが上がってくるとき、原因はほとんど汚れではありません。封水が無いか、少ないかです。

部品を戻していない・斜めに乗っている
🚨 いちばん多い原因です。掃除のあとにおうようになったなら、まずここです。お椀や筒が最後まで入っているかを確かめてください。
封水が蒸発した
長く使っていない浴室で起きます。汚れではないので、水を流せば戻ります。旅行から帰ったときのにおいはたいていこれです。
部品が割れている・変形している
お椀にひびが入ると水がたまりません。交換です。
封水が吸い出されている
気密性の高い家で換気扇を強く回すと、室内が負圧になって封水が引かれることがあります。給気の窓や口を開けると変わります。
ヘドロ自体がにおっている
これは下水のにおいではなく、生乾きのような、酸っぱいにおいです。掃除で取れます。
排水管の奥に原因がある
ほかの排水(洗面・キッチン・洗濯機)もにおうなら、建物の側です → 管理会社か専門業者へ

見分け方はかんたんです。水を1〜2杯流して、数時間後にまだにおうかを見てください。

  • 水を流したら消えた → 封水切れでした。定期的に水を流すだけで止まります
  • 消えない → 部品の戻し方か、割れか、汚れです。ふたを開けて、部品が最後まで入っているかを見ます
  • ほかの場所もにおう → 建物の側です。自分で直せる範囲を超えています

エアコンから下水のにおいがする場合は、別の経路です → エアコンの臭いの原因と対策・エアコンのドレンホース掃除

流れが悪い・詰まったときは

水が引かない、足元に溜まるようになった場合です。段階で対応が変わります。

ゆっくり引く
ヘアキャッチャーとトラップの部品を外して洗えば、たいてい戻ります。この記事の手順です。
部品を洗っても引かない
部品より奥に髪の毛の塊があります。封水を汲み出してから、液体のパイプクリーナーを表示どおりに使います。
それでも引かない
ラバーカップ(吸引具)で押し引きする方法があります。排水溝の口に合う大きさのものを使い、ゆっくり動かしてください。
まったく引かない・水があふれる
🚨 これ以上水を流さないでください。薬剤も入れません。流れないので、その場に残ります。
ほかの排水も遅い
建物の配管か、集合住宅の縦管です。自分の部屋だけの問題ではない可能性があるので、管理会社へ連絡してください。
固形物を落とした
カミソリのカバー、指輪、おもちゃ。薬剤では溶けません。部品を外して見える範囲なら取れますが、奥なら専門業者です。

🚨 排水管の奥の詰まりは、ひなたの範囲ではありません。ひなたは清掃の事業者で、配管の高圧洗浄や通管は水道・排水の専門業者の領域です。そこは正直にお伝えして、無理にお引き受けしません。

ネットやカバーは必要なのか

よく聞かれるのに、答えがあまり書かれていないところです。

ネット(ごみ取りネット)は必要か
必須ではありません。髪の毛を受けるのはヘアキャッチャーの役目で、それがあれば排水は成り立ちます。ネットの利点は「捨てるのが楽になる」ことです。
ネットが無いとどうなるか
何も起きません。ヘアキャッチャーから髪の毛を直接取ることになるだけです。
🚨 ネットの落とし穴
目が細かすぎると、そこで水が引かなくなります。石けんカスが膜になって目をふさぎます。ネットを付けたら、流れが遅くなっていないかを見てください。
ふた(目皿)は必要か
あったほうがいいです。物が落ちるのを防ぎ、見た目も収まります。ただしにおいをふさいでいるのはふたではなく封水です。
ふたの代わりになるもの
排水溝の型に合うものを、メーカーの部品販売か建材店で探せます。合わないものを載せると、すき間から物が落ちます。
中ぶたは何のためにあるか
機種によって、ヘアキャッチャーの上にもう1枚入っていることがあります。水の流れを整えるためのもので、これも戻してください。
バイオ系の置くタイプ
ぬめりの再発を遅らせる効果が期待されるものです。掃除の代わりにはなりません。

いちばん手間が減るのは、ネットを増やすことではなく、週1回ヘアキャッチャーを見る習慣です。

排水溝まわりの総ざらい — どこを、どうするか

洗うものが4つ、見るだけのものが2つ、触らないものが2つです。

ふた(目皿)の表と裏
外して洗う。週1回。裏がいちばん汚れます
ヘアキャッチャー
外して洗う。週1回。ここがこの掃除の本体
トラップの部品(筒・お椀)
外して洗う。月1回。🚨 必ず戻す
受け皿の中・見える内壁
ブラシで洗う。月1回。ヘドロが沈んでいます
浴槽の栓とその周囲
洗う。手が届く範囲まで
封水(底の水)
作業中は汲み出し、終わったら必ず戻す
水の引き方
見る。遅くなっていないか
部品のひび・変形
見る。封水が保てなくなります
排水管の内部
手を入れない。液体の薬剤を流す範囲まで
床下の配管・合流部
触らない。建物の設備です

週1回が2つ、月1回が2つ。それだけです。

浴室全体の総ざらいはお風呂のカビ取りと水あか掃除、換気扇はお風呂の換気扇掃除方法にあります。

やってはいけないこと

  • 🚨 外した部品を戻さずに終わらない。封水が作れず、下水のにおいが上がります。これがこの場所でいちばん多い失敗です
  • 🚨 お椀の部品を斜めに乗せただけで終わらない。最後まで入っていないと封水になりません
  • 🚨 塩素系と酸性を同じ場所で続けて使わない。浴室は両方を使う場所で、家の中でいちばん事故が起きやすいです
  • 🚨 あふれている状態で薬剤を入れない。流れずにその場に残ります
  • 外れない部品を工具で回さない。割れると部品交換で、賃貸では原状回復の話になります
  • 針金やワイヤーを突っ込まない。樹脂の部品と配管の内側を傷つけます
  • 髪の毛を排水溝へ流さない。袋に入れて捨てます
  • 取り出したヘドロを戻さない。同じく袋へ
  • 目の細かすぎるネットを付けない。水が引かなくなります
  • 薬剤を表示より濃くしない・長く置かない。落ちは比例せず、樹脂を傷めることがあります
  • 熱湯を流さない。樹脂の部品と配管が変形することがあります

上の4つは事故とにおいの話、残りは元に戻らない傷みと手戻りの話です。とくに1つめと2つめは、掃除の直後に起きます。

どのくらい時間がかかるか

週1回は5分、月1回は20〜30分が一般的な目安です。

週1回(ふた+ヘアキャッチャー)
5分ほど。髪の毛を取って、2つを洗って戻すだけ。
月1回(トラップの部品まで)
20〜30分ほど。外して洗い、受け皿の中をかき出して、戻します。
塩素系を置く時間
製品表示に従います。多くは5〜30分です。
パイプクリーナーを流す場合
封水を汲み出して注ぎ、表示の時間(15〜30分が多い)おいて流します。
においの確認
数時間後にもう一度嗅ぎます。ここを省くと、戻し忘れに気づけません。

薬剤を置いている間に浴室の壁と床をやると、全体が短くなります。🚨 ただし酸性の洗剤と同時には進めないでください。

※ 上の時間は一般的な手順の目安です。排水溝の型と汚れの程度で変わり、ひなたの施工実績を示す数字ではありません。

どのくらいの頻度でやればいいか

週1回と月1回の2段で足ります。

週1回
ふたとヘアキャッチャーを外して、髪の毛を取って洗う。5分です。ここを守っていれば、月1回がとても楽になります。
月1回
トラップの部品まで外して洗い、受け皿の中をかき出します。
使う条件で詰める
髪の長い方がいる/人数が多い/ペットを洗う。週1回を週2回に。
ぬめりが出たとき
ピンク色のぬめりは再発がとても早いので、予定を待たずに流してください。
長く家を空けたあと
掃除ではなく、水を1〜2杯流します。封水が蒸発しているだけです。
年1回
部品のひび、変形、劣化を見ます。お椀が割れていたら交換です。

いちばん費用対効果が高いのは、週1回ヘアキャッチャーを見ることです。髪の毛が芯になる前に取れば、ヘドロは育ちません。

※ 上の頻度は一般的な手入れの目安です。人数、髪の長さ、使用状況で変わります。

次にぬめるまでを延ばす

入ってくるものを減らすほうが、掃除の回数を減らすより効きます。

  1. 週1回、ヘアキャッチャーの髪の毛を取る。条件なしで効くのはこれです。芯が無ければヘドロは育ちません。
  2. 最後に入った人が、床と排水溝に水をかけて流す。石けんカスを残しません。
  3. 換気扇を回して乾かす。ぬめりは濡れている時間で育ちます → お風呂の換気扇掃除方法
  4. シャンプーの詰め替えや固形物を、排水溝の上で扱わない。ラベルやカバーが落ちます。
  5. 月1回、部品まで外す日を決める。「気づいたら」では間隔が開きます。
  6. ネットを使うなら、水の引き方を見る。目が細かすぎると詰まります。
  7. 長く空けるときは、帰ったら水を流す。封水を戻します。

7つのうち、1つめと2つめで大半が済みます。どちらも1分で、費用がかかりません。

そのままにすると、どうなるか

この場所は、においと詰まりの両方に進みます。

下水のにおいが浴室に残る
封水が無い状態が続くと、入るたびににおいます。汚れを落としても止まりません。
虫が上がってくる
封水は虫の通り道もふさいでいます。
水が引かなくなる
足元に水が溜まるようになります。
黒カビが広がる
ぬめりを放置すると黒カビになり、排水溝だけでなく床の目地やパッキンへ広がります → お風呂のカビ取りと水あか掃除
ヘドロが配管の奥で固まる
部品を外しても届かない位置に移ります。通管や高圧洗浄の作業になります。
🚨 階下へ漏水する
集合住宅でいちばん重い結果です。あふれた水が床から回ると、階下の天井と家財の損害になります。
部品が劣化して戻らなくなる
汚れが固着した樹脂は、外そうとすると割れます。

週1回5分で、このほとんどは起きません。

賃貸の場合

ここは上位の記事が触れていないので、整理して書きます。

自分でやってよいこと
ふた・ヘアキャッチャー・トラップの部品を外して洗う、市販の薬剤を表示どおりに使う。日常の手入れの範囲なので、通常は連絡なしで行えます。
連絡したほうがよい場面
水があふれる/引かない/ほかの排水も遅い/部品を割った/部品が最初から無い。設備の問題の可能性があるので、先に管理会社かオーナーへ。
🚨 部品が無いまま使い続けないこと
入居時からお椀やヘアキャッチャーが無いことがあります。においと虫の原因になるので、無いことを伝えて部品を入れてもらってください。
費用の負担
手入れを怠って詰まらせた場合は借主、設備の劣化や建物の配管が原因なら貸主、というのが一般的な考え方です。自己判断で業者を呼ぶ前に連絡してください。
退去のとき
排水溝の汚れは通常の使用による汚れとされることが多いですが、詰まらせて設備を傷めた場合は別です。

エアコンの場合の考え方は賃貸エアコンクリーニングの確認方法にまとめています。

※ 上は一般的な考え方で、契約書の特約が優先されます。判断に迷う場面は、契約書を確認したうえで管理会社かオーナーへご相談ください。

自分でやる範囲と、頼む目安

自分で進める範囲は、外せる部品を外して洗い、戻して、水を流すところまでです。配管の奥、床下、部品の交換は含みません。

自分で進めやすい
ふた・ヘアキャッチャー・トラップの部品の洗浄/受け皿の中のかき出し/塩素系でのぬめりとカビ/パイプクリーナーを流す/封水の確認。
清掃を頼む目安
何年も部品を外していなくて何が入っているか分からない/黒カビが床や目地へ広がっている/においが取れない/浴室をまとめてきれいにしたい。
水道・排水の専門業者に頼む目安
🚨 水が引かない/あふれる/ほかの排水も遅い/固形物を奥に落とした。これは掃除ではなく通管や高圧洗浄で、ひなたの範囲ではありません。
部品交換を確認する目安
お椀やヘアキャッチャーのひび・変形・紛失。メーカーの部品販売か建材店、賃貸なら管理会社へ。
管理会社・オーナーへ連絡する目安
賃貸で、あふれる・引かない・部品を割った・部品が最初から無い。

ひなたの浴室クリーニングは17,600円(税込・浴室1か所・約2〜3時間)です。排水溝は標準の範囲に入っていて、外せる部品を外して洗い、戻して水を流すところまで行います。配管の奥へは進みません → 浴室クリーニング

ご相談のときは、においがするか・水の引き方・ふたを開けたときの中の形(お椀があるか)をお知らせいただけると、当日の段取りが決まります。

よくある質問

Qお風呂の排水溝から下水のようなにおいがします。どうすればいいですか?
A

まず、外した部品が全部戻っているかを確かめてください。排水溝の底には水がたまって下水のにおいをふさいでいて、その水をためる部品(筒やお椀)が戻っていない、あるいは斜めに乗っているだけだと、においが直接上がります。掃除のあとにおうようになったなら、ほぼこれです。次に、水を1〜2杯流してください。長く使っていないと底の水が蒸発するので、流せば戻ります。それでも消えない場合は部品の割れか、ほかの排水もにおうなら建物の側です。

Q排水溝に水が溜まっていますが、詰まっているのですか?
A

故障ではありません。その水は封水といって、下水のにおいと虫が上がるのをふさいでいる必要なものです。水が見える構造の機種もあります。詰まりの判定は水の有無ではなく、水を流したときにすっと引くかどうかで見てください。

Q古いタイプの排水溝はどう掃除しますか?
A

お椀を伏せたような部品(ワントラップ)がかぶっているタイプです。外す前に写真を撮り、持ち上げて外し、お椀の内側と外側、下の受け皿の中を洗います。🚨 いちばん大事なのは戻すことで、伏せる向きで最後まで入れてください。斜めに乗せただけでは封水ができず、翌日から下水のにおいが上がります。お椀が割れている・変形している場合は交換で、無いまま使い続けないでください。

Q排水溝のふたが取れません。どうしたらいいですか?
A

まず、ぬるま湯をかけて10〜20分置いてください。石けんカスと皮脂が固まっているだけのことが多く、それで動きます。ねじ込み式なら回す向きを確認してください。それでも回らない場合は、外れない構造か劣化して固着しています。工具で挟んで回さないでください。割れると部品交換になり、賃貸では原状回復の話になります。外せなくても、すき間から塩素系の泡タイプを入れて置いて流せば、ぬめりとにおいはかなり落ちます。

Qヘドロが取れません。
A

ヘドロは髪の毛が芯になっているので、薬剤では溶けません。先に手とブラシで物理的にかき出してください。そのうえで薬剤を使う場合は、注ぐ前に底の水を紙コップで汲み出してください。封水で薄まると効きません。すぐ戻る場合は、取れていないのではなく作られる速さが掃除の間隔より速いということなので、週1回ヘアキャッチャーを見る習慣に戻ってください。

Qお風呂の排水溝にネットは必要ですか?
A

必須ではありません。髪の毛を受けるのはヘアキャッチャーの役目で、それがあれば排水は成り立ちます。ネットの利点は「捨てるのが楽になる」ことです。無くても何も起きません。🚨 ただし目が細かすぎるネットは、石けんカスが膜になって水が引かなくなります。付けたら、流れが遅くなっていないかを見てください。

Q重曹とクエン酸で掃除するのは効果がありますか?
A

発泡で浮かせる物理的な効果はありますが、洗浄力としては相殺されます。弱アルカリ性と酸性が中和して、ほぼ水と二酸化炭素になります。「薬剤を使いたくない」場合の選択としては成り立ちますが、ぬめりと黒カビには塩素系のほうが早く確実です。油汚れなら重曹だけ、水あかならクエン酸だけで使うほうが落ちます。

Qパイプクリーナーを入れたのに効きません。
A

理由は2つです。①排水溝の底にたまった水(封水)で薄まっている ②詰まっているのが髪の毛の塊で、先に物理的に取り出していない。注ぐ前に紙コップで底の水を汲み出し、見える範囲の髪の毛を取ってから使ってください。同じ製品で結果が変わります。濃くしたり長く置いたりしても落ちは比例しません。

Q塩素系のカビ取り剤と酸性の洗剤を、同じ日に使ってもいいですか?
A

やめてください。浴室は黒カビに塩素系、鏡や蛇口の水あかに酸性を使う場所で、家の中でいちばんこの事故が起きやすいところです。混ざると有毒なガスが出ます。同じ日に両方やる必要はありません。どうしても必要なときは、酸性 → よく洗い流す → 乾かす → 塩素系の順にして、バケツとクロスも分けてください。

Q掃除の頻度はどのくらいですか?
A

週1回はふたとヘアキャッチャーを外して髪の毛を取って洗う(5分)、月1回はトラップの部品まで外して洗う(20〜30分)が目安です。髪の長い方がいる、人数が多い場合は週1回を週2回に。いちばん費用対効果が高いのは週1回ヘアキャッチャーを見ることです。髪の毛が芯になる前に取れば、ヘドロは育ちません。

Q水が引かない・あふれるときはどうすればいいですか?
A

これ以上水を流さず、薬剤も入れないでください。流れないのでその場に残り、あとで作業する人が危険です。ヘアキャッチャーとトラップの部品を外して洗っても引かない場合は、部品より奥に髪の毛の塊があります。ラバーカップを試す方法もありますが、ほかの排水も遅いなら建物の配管か集合住宅の縦管です。🚨 配管の奥の詰まりは清掃の範囲ではないので、水道・排水の専門業者か、賃貸なら管理会社へご相談ください。

Q浴槽側の排水溝はどう掃除しますか?
A

浴槽の栓の下で、手は入りません。多くの浴室では浴槽の排水が床下で洗い場の排水と合流しているので、洗い場側を掃除すると浴槽側の通りも良くなることがあります。栓のまわりとゴム栓の裏側は手が届くので中性洗剤で洗ってください。それより奥は分解ではなく点検の範囲です。浴槽と洗い場の境目にあるエプロンの内部は、こことは別の場所です。

掲載日
2026年11月3日
参照したもの
お使いの浴室(ユニットバス)の取扱説明書(排水溝の部品、外し方、使用できる洗剤)
お使いの洗剤・パイプクリーナーの容器の表示(液性、使用量、放置時間、使えない素材)
お住まいの建物の賃貸借契約書(設備の扱い、修繕の負担、連絡先)
LIXIL「お風呂の排水口(排水溝)の掃除方法を解説!」(排水トラップタイプと封水筒タイプの構造)
長谷工コーポレーション「お風呂の排水口掃除は?ぬめりやニオイ、ドロドロ汚れの対処方法を解説!」
ハウスクリーニングひなた 作業手順書(部品の記録と組み戻し、封水の確認、液性ごとの道具の分離、配管の奥は引き受けない判断)
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※ 掲載内容は2026年10月時点のものです。設備の種類・状態によって、ご案内が変わる場合があります。この記事に監修者は置いていません。設備そのものの可否は、お使いの機器の取扱説明書と製造メーカーのご案内をご確認ください。

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